ソフトウェア情報学部(東京キャンパス) 大川博督准教授の共著論文「Systematic local simulations of fast neutrino flavor conversions with scattering effects」が国際誌 Progress of Theoretical and Experimental Physicsに掲載されました。

 宇宙に多く存在する素粒子“ニュートリノ”は、他の物質をすり抜けやすいという性質があり捕まえることが難しいですが、今までに3種類の違い、いわゆる「フレーバー」があることがわかっています。これまでに太陽より8倍以上重い星が最期に迎える超新星爆発という宇宙で最も明るい現象が数多く観測され、その“ニュートリノ”が重要な役割を果たしているのではないかと考えられていますが、実際どのように爆発が起こっているのかは未だ完全に明らかになっていません。

 特に超新星内部では3種類のフレーバーのうち“電子型ニュートリノ”の役割が大きいですが、実は3種類の“ニュートリノ”同士はある条件を満たすと別の「フレーバー」に変化することが予想されています。本論文では、実際の超新星の内部で“ニュートリノ”の「フレーバー」が変わりうるかどうかについてシミュレーションを用いて議論し、長時間スケールで変換が起こることを示すことに成功しました。

こちらのリンクよりご覧いただけます:https://doi.org/10.1093/ptep/ptae144